口臭の特徴と治療方法

口臭の特徴


1.口臭が最も強くなるのは起床時です。

2.飲食前(空腹時)は口臭が強く、飲食時或いは飲食直後は口臭が弱まる傾向にあります。
⇒飲食後1時間以上経過して口臭検査をする方が正解です。

3.舌苔の取りすぎは口臭を悪化させます。
⇒舌の上の白いものは舌苔でありプラークが原因といわれてます。舌苔を取りすぎると、より白い舌苔が短時間で付着していくことがあります。舌苔は舌を保護するものです。人体に必要な舌苔を取り除いた結果、生体側の防御反応として、より早く新しい舌苔を作り、舌表面粘膜を保護しようとし、やがて正常量以上に舌苔が付着するようになり、口臭が増悪することもあります。舌苔を取るヘラなどが販売されていますが、舌の表面を傷めることが多く、当院では推奨していません。

4.口腔内の細菌が食物を分解して口臭のガスを発生させます。

5.硫化水素に比較してメチルメルカプタンの量が多いと歯周病の可能性があります。

6.ストレスは口臭を増強させます。

7.唾液の分泌量が減少すると、口臭が発生します。
⇒緊張時、ストレス時に唾液の分泌量が低下します。

8.排卵日や月経前後にも口臭が発生します。

9.うがい
⇒口臭の原因となるガスは水に溶けやすく、うがいによって口臭が抑制されます。
測定前にうがいをするとその影響が出ますのでうがいは控えて口臭測定を行います

10.歯磨材、洗口剤、化粧品(香水、口紅)等に含まれる香料がセンサーに影響を与えます。
⇒歯磨材、洗口材を使用してすぐの測定では正確に測れません。

11.お茶
⇒カテキンによる消臭効果があり、お茶うがいは有効です。

12.タバコ、飲酒
⇒喫煙は口臭や歯周病の原因となるので、当院でチャンピックス、ニコチネル(保険治療)により禁煙治療を行っています。

13.自臭症

14.ドライマウス
⇒ドライマウスとは:
「口腔乾燥症」ともいいます。広い意味での口腔乾燥症は唾液分泌の低下だけでなく、口が乾いていると自覚する症状すべてを指すことになります。また、狭い意味では、唾液の分泌が低下して口が乾いている症状をさします。さまざまな原因で唾液の分泌量が低下し、口の中が乾燥する病気です。10年ほど前から注目され始めた症状で、根本治療法は確立されていません。唾液が減ることで、口の中の乾燥や痛み、味覚障害などが起こります。

唾液の役割
口腔内に1L~1.5L/1日の唾液が分泌されています。耳の下やあごの辺りのぐりぐりを唾液腺といいます。唾液腺には耳下腺、顎下腺、舌下腺があり、唾液をつくり管を通して口の中に唾液を出します。
唾液の種類には、安静時唾液はじっとしているときに出てきます。食事をしたときに出てくるのは刺激唾液といいます。含まれている成分・濃度が違います。消化作用や洗浄作用、抗菌作用など重要な役割が唾液にはあります。他に味覚を鋭くする、粘膜を保護するなど、私たちの健康を守るために重要な役割を果たしています

ドライマウスの症状
「口がねばつく」「口がカラカラする」「水分と一緒に食事をとらないと、うまく飲み込めない」などの症状が現れます。また、唾液分泌量が正常でも乾燥感を生じることもあります。口の渇きが3か月以上続いていたり、口の中や舌にひりひりした痛みを感じたり、口臭が気になったり、虫歯になりやすかったら
ドライマウスの可能性があります。

人口:
加齢により唾液の分泌が低下することが知られています。70~80歳では唾液量が若いころの約半分に減るといわれています。ドライアイ(乾燥性角結膜炎)患者さんの多くがドライマウスの症状を持つと言われています。日本人の10人にひとりともいわれ、約人口の約25%が本症に罹患しているとの報告もあり、日本では約3000万人の患者がいると推計されており、その多くは更年期を含めた中高年の女性ですが、最近では若い人にも増えており、老人人口の増加も含めて、将来的にもかなりの数のドライマウスの患者さんがでてくることが予想されます。

原因:
糖尿病や慢性の腎不全により体が脱水状態になり口が渇いてしまう。利尿剤などの薬の副作用で体が脱水症状になり口が渇いてしまう。ひどい鼻中隔弯曲症や慢性の鼻炎があることで鼻で呼吸がうまくできず、口の中が渇いてしまう。いびきや睡眠時無呼吸症候群になり、鼻だけでなく、寝ている時に舌が落ち込んでしまうことで、あえぐような口呼吸になってしまい、唾液が蒸発して口の中が乾いてしまうようです。自律神経により唾液の分泌は、調整されています。ストレスなどにより体が緊張する状態、つまり交感神経系が強く作用してくると、唾液の分泌システムは抑制され、唾液が少なくなります。体がリラックス状態、副交感神経系が強く作用してくると、唾液の分泌は増加します。タバコも唾液の分泌に作用し、唾液が減少していきます。脳や末梢の神経障害により、口の周りの筋肉がうまく動かないと、唾液がよく出てこなくなり、唾液の分泌量は減ります。耳の下やあごの辺りのぐりぐりを唾液腺といいます。唾液を産生する唾液腺(耳下腺・顎下腺・舌下線)が老化してくると唾液は減ります。また炎症を起こしたり、石ができたり、腫瘍ができると唾液の分泌は減ってきます。抗うつ薬、精神安定薬、高血圧などの治療に用いられるカルシウム拮抗薬、抗ヒスタミン薬、鎮痛薬などの副作用により唾液の分泌は減るといわれています。薬情報に、薬による口腔乾燥が記載されているものがありますが、ドライマウスの症状があっても、自己判断で薬の服用の中止はせず、主治医に相談した上で薬の変更や続行、中止を行ってください。唾液腺は性ホルモンの影響を受けやすく、女性の更年期は、唾液の分泌量が減ると考えられています。
シェーグレン症候群(英: Sjogren’s syndrome)は、スウェーデンの眼科医ヘンリック・シェーグレン博士にちなんで名付けられた疾患です。涙をつくる涙腺、唾液をつくる唾液腺などの外分泌腺に慢性的に炎症が生じることにより、涙や唾液の分泌が低下して、目や口腔内にい乾燥症状をおこす膠原病のひとつです。男女比は1:14で女性に多く、発症年齢は年齢とわず発症しますが、50歳代にピークがあるそうです。単独で発症する原発性シェーグレン症候群と、他の膠原病(関節リウマチや全身性エリテマトーデス、強皮症、多発性筋炎・皮膚筋炎など)に合併して発病する二次性シェーグレン症候群があります。

                                   

治療
ドライマウスは原因によって治療法が異なります。まず原因を明らかにする必要性が考えられます。ドライマウスの原因としては

(1)薬剤性:口が乾く作用(副作用)を持った薬剤を飲んでいる→薬をお聞きし、処方されている他の病院の先生とも相談します。薬剤を減量したり、中止したり、種類を変更したりします。

(2)年齢(高齢)により唾液分泌の能力が落ちている→お水でのうがいや必要に応じ漢方薬等の薬を処方します(3)精神的な緊張などによるもの→生活指導を行います。

(3)口で呼吸する→鼻疾患や睡眠時無呼吸との関連を含め精査します。当院は睡眠時無呼吸の専門施設です。

(4)糖尿病、腎臓病、肝臓病など病気によるもの→当院内科医師と連携し治療します。場合により、まずその治療を優先し、治療を行うことで唾液がでてくるようになります。尚、腫瘍でとらなければならない場合は、代換え療法をおこなうことになります。代換え療法としては、唾液とほぼ同じ成分の液体の人工唾液や、口の中に塗る保湿ジェル、洗口液などを用いて、口の中を保湿して、口の中の乾燥や痛みを緩和する対症療法として行います。こまめに水分をとる、飴をなめる、ガムを噛むなども口の中を潤すのに効果的ですが、う蝕(虫歯)や歯周病予防のためにも、糖分を含まないものを選ぶようにしてください。また、唾液の分泌を促す薬や漢方薬による薬物療法が行われる場合もあります。

(5)放射線治療、骨髄移植をしている。→現在の治療についてお聞きし、漢方薬等の薬を追加処方します。口の乾燥は口臭の大きな原因です。ドライアイも起こしている方が多く、当院では涙液検査、唾液検査を行っています。

(6)口周りの筋力の低下:加齢による筋力の低下のほか、やわらかい食品ばかりを食べていて口の周りの筋力が衰えると、唾液の分泌量が減ります。楽しくよく噛んで食べることや、「イー」「ウー」と声を出しながら口を大きく動かして唾液腺を刺激することも、唾液の分泌量を増やすのに有効です。歯並びや噛み合わせ、入れ歯などに問題があってしっかりと噛むことができない場合は、歯科で治療を受けるようにしてください。

(7)シェーグレンやリウマチ等自己免疫疾患→血液検査など行い、必要時提携病院で精査します。

シェーグレン症候群の診断基準 (1999厚生省改訂基準)
1.生検病理組織所見で次のいずれかの陽性所見を認めること
a)口唇腺組織で4 mm2あたり1focus(導管周囲に50個以上のリンパ球浸潤)以上
b)涙腺組織で4 mm2あたり1focus(導管周囲に50個以上 のリンパ球浸潤)以上
2.口腔検査で次のいずれかの陽性所見を認めること
a)唾液腺造影でStage 1(直径1mm未満の小点状陰影)以上の異常所見
b)唾液腺分泌量(ガム試験 10ml以下/10分,サクソン試験 2g 以下/2分)かつ唾液腺シンチグラフィーで機能低下の所見
3.眼科所見でいずれかの陽性所見を認めること
a)シャーマー試験で 5mm以下/5分,ローズベンガル試験 スコア3以上
b)シャーマー試験で 5mm以下/5分,蛍光色素試験陽性
4.血清試験で次のいずれかの陽性所見を認めること
a)抗SS-A抗体陽性
b)抗SS-B抗体陽性
以上の4項目中2項目以上を満たせばシェーグレン症候群と確定診断する